感情による理由づけ

自分の感情を、あらゆる推測や言い訳に使ってしまう考え方

カテゴリ:推論の誤り

特徴

感情による理由づけとは、自分の感情を、あらゆる推測や言い訳に使ってしまったり、その時の気分や感情に基づいて事実を解釈することです。これは小さい子どもや女性に多く、感性や感覚を大切にする人が陥りやすい思考パターンです。

例えば、「あの人は私を不快にさせる。だから、あいつは嫌な人間だ」「今日は何もする気にならない。だから、ベッドから起き上がるなんて、できるはずがない」「そんなことやっても無駄に思う、だからやらない」「いま希望が持てない、だから将来にわたっても希望がない」といった、理性的、論理的な判断ではなく、感情的な判断をしてしまいます。

この考えが強いと、自分の調子が悪い時には何をやってもうまくいかないと考える傾向にあり、調子が悪い時に行動を起こせないことが多くなるため、結果が出ずにさらに悩んでしまうことにもつながります。

感情的なことが現実の見方を変えてしまうため、気分がいいときは「何をやってもうまくいく」と考え、気分が悪いときは「何をやってもダメだ」と考えてしまうのです。

特に激しく怒った時や、激しく悲しんだ時など、感情が思考を支配すると理性的でいられなくなり、「感情的決めつけ」をしやすくなります。

また、「感情的決めつけ」は先延ばしを生み出します。例えば、「気分が乗らないから今日は掃除をしたくない」という考えでは、いつまでたっても掃除ができなくなるからです。そして先延ばしを悔やむことで自己否定をしやすくなり、自己肯定感を下げます。

具体例

「映画がとても退屈だったので、この作品を面白いと言っている人は嘘つきだ」と思う

気分が悪い・憂鬱であることを理由になにもかもどうせうまくいかないと決め付けてしまう

「私にできないのだから、彼にできるわけがない」と考える

「あの人と話しているとき、悲しい気持ちになったので、私のことが嫌いなのだ」と推測する