悪い部分だけを見てしまう思考

良い面を無視して悪い面だけに目がいってしまう考え方

カテゴリ:認知の偏り

特徴

悪い部分だけを見てしまう思考とは、良い面を無視して悪い面だけを捉える考え方のことです。ほかに中立的あるいは肯定的な情報があるのに、それを思い出したり見定めることをしないで、望ましくない、あるいは否定的な出来事・記憶などにばかりに焦点をあててしまうため、頭の中がネガティブに染まります。

例えば、学生時代を振り返った時に、楽しかった思い出もあるはずなのにツラかった思い出だけをピックアップして、「学生時代は地獄だった・・・」と感じてしまいます。

他にも、試験で90点をとったとき、間違えてしまった問題にばかり注目し、問題を間違えてしまった自分はなんてダメなんだろうと自己嫌悪に陥ることが挙げられます。

このとき、90点という優秀な成績を残せたことに関しては無視されてしまっています。

特徴として、「◯◯が気になって仕方ない」「◯◯しか思い出せない」といったネガティブな要素ばかりを取り上げる口癖があり、たった1つのネガティブなことや事実をクヨクヨと考え、楽しかったこと、幸せ、希望などを台なしにしてしまいます。

物事のマイナス部分にばかり注目してしまうのは、脳にはネガティブな情報ほど長く記憶に残す働きがあるからです。これは「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれる人間を含めた生き物に備わっている性質です。

生き物は「生きる」というとても重要な任務を与えられて生まれてきますから、何もしないナチュラルな状態では、危険や不安、恐怖を回避するために絶えず警戒しています。

ですが複雑な人間社会の中では、危険や不安、恐怖ばかりを探していると心も体も疲弊し自らを傷つけ、自己肯定感を下げることになります。

具体例

「たった1人の人に言われたことをずっと気にして引きずってしまう」

「嫌な出来事を思い出して,すべてが嫌になってしまうことがある」

「よくないことや心配、不安があると,そのことが頭からはなれない」

「何かに失敗すると,そのことをくよくよと考えてしまう」

見た目における部分的なコンプレックスで自分の全体を嫌いになってしまったりする