過度な自分への期待

過度に自分の能力や成果に期待してしまい、自分を追い込める考え

カテゴリ:不合理な信念

特徴

過度な自分への期待とは、自分の行為や能力に対する高い期待を表す信念です。断定的な『べき』思考と似ていますが、断定的な『べき』思考は他者を含めた様々な事象に向くのに対して、過度な自分への期待は徹底的に自分に強く期待し、心身ともに追い詰めてしまう信念です。

これは幼少期に築きあげた「親の自分に対する期待」に、自分が応えなくてはいけないという義務感から膨らんだ場合が多いです。

もちろん自分への期待は何かに挑戦するための後押しになります。「自分ならできる」と成功するイメージを思い浮かべると不思議と体が軽くなり、気持ちの面でもアグレッシブになれるからです。

しかし自分への期待が過度に高まり、不合理な状態に陥ると、期待値と現実のギャップがかけ離れ、自己肯定感をすり減らします。

また、挑戦することへの恐怖も増大し、なかなか行動に移せなくなってしまいます。 「私はすべての点で有能でなければならない」 「私は常に業績を上げなければならない」といった強迫観念のような過度な自分への期待はうつ病等の精神疾患のリスクを向上させます。

自分への過剰な自信は、『傲慢になって、他人のアドバイスを聞き入れなくなってしまう』『自分の期待値に届かず、ひどく落ち込んでしまう』、『自分が優れているということを証明するのに躍起になり、心身ともに消耗していく』等のリスクを増加させるだけでなく、突然無気力になって「バーンアウト(燃え尽き症候群)」に陥る可能性もあります。

このバーンアウト、医学的にはうつ病の一種とされており、完璧主義者のほか、理想が高い人や責任感が強い人がなりやすいです。「これくらいはできなければいけない」と掲げた目標になかなか到達できないなど、理想と現実のギャップが広がれば広がるほど、この症状から抜け出せなくなってしまいます。

具体例

「私はいつも頭が良く働かなければならない」と思う

「私は欠点のない人間でなければならない」と思う

「たくさんの仕事を引き受けても立派にこなさなければならない」と思う

「私は誰にも迷惑をかけてはいけない」と思う