事実とは異なるレッテルを貼り

人や物事をたった一つの象徴的な特徴で言い表そうとする考え方

カテゴリ:思考の非柔軟性

特徴

事実とは異なるレッテルを貼りは、感情的決めつけや過度の一般化など、さまざまな認知の歪みがあわさることで生まれます。本来多面的な側面を持つ一人の人を、たった一つの象徴的な特徴(特にネガティブなものとして)で言い表そうとする行為です。

レッテルは先入観や偏見からうまれます。ところで、人間は誰しも少なからず確証バイアスという認知バイアスを持っています。確証バイアスとは、自分の持っているイメージやレッテルを否定するような情報は無視し、肯定する情報しか見えなくなってしまうバイアスのことです。これがレッテル貼りの厄介な点で、一度レッテルをはってしまうと、そのイメージと異なる出来事や言動は無視されてしまい、ネガティブなイメージの修正は困難となってしまうのです。

例えば、「自分はダメ人間だ」というレッテルを張ってしまえば、他の部分ではうまくいっている部分があるにもかかわらず、ちょっとしたミスでも「自分はダメ人間だからやっぱりうまくいかないんだ」などととらえ、落ち込んでしまいます。

物事や人には様々な側面があり、1つや2つの事例だけで抽象化したイメージを本来作るべきではありません。もちろん適切なレッテル貼りは分類や把握、思考の節約のために必要ですが、行きすぎたレッテル貼りや事実とは異なるレッテルを貼りは自分の視野を狭め、思考の柔軟性を失います。

具体例

大企業勤務者を「勝ち組」、そうでない人を「負け組」と決めつける

「あの人はよく渋谷で遊ぶらしい。ということは、遊び人なんだな」と決めつける

「あの人/私は学歴がないから頭が悪いんだ」と悲観的に思い込む

「Aさんが仕事をミスした」という一部分の情報だけをとって、「Aさんは失敗人間だ」と決めつける