断定的な『べき』思考

物事がこうでなければならないと断定的に考え、自分や他人にあるべき姿や理想を抱く思考

カテゴリ:思考の非柔軟性

特徴

断定的な『べき』思考とは、すべき思考、ねばならない思考とも言われます。自分の持っている信念(価値観)や常識こそが一般的であり、唯一の正義だと考えてしまい、自分の信念から外れることを許さない考え方のことです。

「◯◯するべき」「◯◯しなければならない」といったテンプレートを設けて、自分自身や他人を縛りつけます。柔軟的に考えられず、独りよがりになることで認知の歪みが起こります。

「会社員はたとえどんなに体調が悪くても出勤すべき」や、「昨日食べ過ぎたのに、今日運動をしないなんて自分が許せない」と、罪悪感を抱えたり、「学校の先生だったら、生徒のことは全て解決しないといけないのに」と、クレームを入れたりする傾向にあります。

「私は失敗してはいけない」「〇〇して当然だ」と”あくまで自分で作った基準で”自分にプレッシャーをかけて追い込み、信念から外れると、自己嫌悪・罪悪感・恥・怒りといったネガティブな感情が生まれます。

思いどおりの行動をしても自分を褒めることができずに、自己肯定感を上げることが難しくなります。

また、他者に対しても同じ基準を当てはめてしまった場合、思い通りにならない相手に怒りやストレスを感じるようになります。

例えば、部下が定時に帰ったことに怒りを覚えたのであれば、「定時であっても、周囲の仕事が終わるまでは残るべきだ」というルールを自分が作っているのが原因と考えられます。世界が自分の思いどおりに動くことはほぼないため、自分で勝手にガッカリすることになり、さらに、他人が思いどおりの行動をしても、感謝ができない体質になってしまいます。

「すべき」「しなければ」「する必要がある」「する義務がある」「〇〇しなきゃダメ」というような言葉をよく使う人は注意しましょう。「~すべきだ→~しなくてもいいんだ」「~すべきでない→~してもいいんだ」という言い方に修正しましょう。

具体例

「~しなければならない」「~すべきではない」「~は当然だ」「当然~だ」という言い方をする

「世の中は常に公平でなければならないし、公平であるのは当然だ」と考える

「もっと上司らしく振る舞わなくてはいけない」、「人には優しくしなくてはいけない」と思っている

「誰々は、~~すべきなのにしなかった。許されることではない、我慢できない・・・」と考えることがある