将来の否定的な予測

自分の将来を否定的に考え、どうせそうなるに違いないと信じてしまう考え方

カテゴリ:推論の誤り

特徴

将来の否定的な予測とは、将来に対して悲観的な予測をし、それが必ず現実になると思い込むことです。十分な根拠もなく、誰にもわかるはずのない将来を、悲観的に結論づけてしまったり、昔失敗したのだから今度も失敗するはずだと予想してしまいます。

例えば、「私は不幸な生活から一生抜け出せない・・・」「私が幸せな人生を送れるはずがない」「私の将来は孤独にちがいない」など、悲劇的な結論に飛躍してしまいます。

もちろん、悲観的な予測をすること「それ自体」は問題なく、誰にでもあることです。最悪の事態を想定して、それに「対応」するために、万全の準備をする。リスクを徹底的に減らすことは重要なことです。

気をつけるべきなのは、悲観的な予測をして、それが「きっと現実になる」と強く思い込んで、過度な不安に陥ったり、過度に憂鬱になったり、しまいには行動を諦めてしまうようなことです。

悲観的な未来を予測して、それが現実になると思い込むことで、行動が導かれ、実際にその結末に向かってしまうことがあるのです。(『脳に描いていることが本当に現実化する』自己成就予言という)。

また「自分は失敗する。きっと失敗する。」と思っていると、本当に失敗しまう可能性がうまれ、実際に失敗すると「ほらみろ。自分の予想どおりになっただろう。」と悲観的な予測の正確さを自分で納得してしまうようになります。こうなってしまうと、悪循環です。

「きっと~になるに違いない。」「絶対~できるわけがない。」といった口癖の方は将来の否定的な予測が強いかもしれません。将来の否定的な予測は、想像力が豊かな人が陥りやすい罠です。その豊かな想像力が最悪の未来を想像してしまうのです。想像力が豊かという自分の強みを、ポジティブなイメージの構築に活用していきましょう。

具体例

私の悩みは一生続くだろうと思うことがある

起こりそうもない失敗や嫌なことを想像して,気分が沈んだり、この先きっと起こるにちがいないと考えてしまう

自分の将来は,あまり期待できそうにないと思う

「来週のプレゼンは、緊張してしまってきっと失敗するに決まっている」と考えてしまう